COP21への日本の二酸化炭素削減目標提示の前提となる「日本の将来のエネルギーミックス」をどうするかの議論と政策決定に注目が集まっている。中でも原子力発電の割合、再生可能エネルギーの割合をどうするかは国民の利害に大きく関わるため関心が高い。

しかしこれらは「電気」のエネルギーの化石燃料比率をどうするかのエネルギー供給側問題であり、電気の特性である時間差のない消費=供給の観点で論じられていないのではない気がする。また再生エネルギーの割合についても、天候や日照量に左右される不安定な再生エネルギーの根本的な欠点をどう解決するか未定のまま、エネルギーミックス(電源の割合)を定めても何も担保されていないのではないか、すなわち極めて綱渡り的な供給電力ミックスにならないだろうか。

エネルギー供給側と対等である需要側にとっては、電気だけでなくガス、灯油、車の燃料といった消費時間差のあるエネルギーミックスの中の一部としての電気の割合をどうするかを先行して考えなければ、日本のCO2削減目標は文字通り国際政治力学の数値だけとなりかねない。

もちろんガスも灯油もガソリンも二酸化炭素を出す化石燃料であるが、備蓄可能なエネルギー源であるばかりか、火力発電電源だけでなく、エネファームや水素燃料電池など比較的クリーンな電源としての利用も実用化されてきている。

日本のCO2排出源の39%は化石燃料からの電気転換で、化石燃料のまま消費する割合は産業部門が26%、運輸部門が17%、家庭部門を含む業務その他部門(主として建物からの排出)が12%を占めている。電気転換(発電所)を需要分野に含めると家庭部門、業務その他部門からの排出割合は、37%と産業部門の33%、運輸部門の18%を上回る。(2012年度JCCCAホームページ)

従ってこの部門の省エネを加味した需要予測は、日本の将来のエネルギーミックスを考える上でキ―となることは明白だ。

これまで、環境省や経産省の予測、目標に頼っていた?二酸化炭素削減問題について、文科省傘下の科学技術振興機構・低炭素社会戦略センターのレポート(LCSハンドブック2014)によると、一般家庭(年収500~550万円、1戸建)ではLED、省エネ家電、家の断熱化、太陽光発電(PV3kWの場合)、エコカーの利用等、現在「実用化されている技術だけで74%ものCO2が削減できる」ことが実証されている。拙宅にても上記の利用で80%以上の削減達成実証済みである。(2014年)

また将来の望ましいエネルギーミックスであるから日本の人口推移予測も考慮されなければならない。40年先(2055年)の日本の人口予測(国連World Population Prospects, the 2012 Revision)では現在より17%減少の1億543万人となっている。高齢化より少子化が深刻な問題で、温暖化と同じく、現在より少子化傾向が続くと9千万を割り込むだろう。IPCC報告で地球温暖化の原因が人為起源の二酸化炭素とほぼ断定された今、人口の減少は、今より化石燃料起源のエネルギー多消費経済社会にならない限り、将来の大きなエネルギー量減少(=二酸化炭素量減少)となる。

このように日本の望ましいエネルギーミックスを考えるには、上記「科学進歩」と人口推移を前提とした、「需要サイドの省エネミックス」と整合させたロードマップ策定が喫急の課題ではないだろうか。

平成27年1月30日

主筆:平手彰

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