学歴フィルターとは何の事?

ある日の朝、いつものように新聞に目をやると、その一面のトップに出ていた『学歴フィルター』という見出しの意味が余りピンとこず、何だろうと思いながら早速記事を読んでみた。

するとそこに書かれていた内容は一言で言えば『学歴フィルター=企業が新卒採用の説明会等を開催する際に特定大学の学生に有利になるよう優先順位をつける』というもので、よく考えるとこれは今に始まった事ではなく、40年前の小生の就職時代と本質論は殆ど変わっていない実態であった。

多くの企業が採用している背景や理由は?

最近の多くの企業はIT機器(PCやスマートホン)を使って就職希望学生への採用説明会の開催、一次二次の書類選考等を行っている。

その新聞によると、A大学生が希望企業の会社説明会に参加しようとネットでの受付開始日時のジャストタイムで申し込みボタンを押そうと開いたところ

全ての開催日時が既に満席になっていたが、友人のB大学生(難関・有名大学)はそんなことは無く、スンナリと申し込みが出来たという差別の実態であった。

1.採用する企業の巧妙なやり方は

学歴フィルターをかける企業は最初から受験資格のある大学名を公表すれば、差別企業として世間から冷やかに見られてしまう為、表向きはあくまで全ての大学に平等に門戸開放を装い、裏では巧妙に差別をしているのである。

2.学歴フィルターを採用する理由は(大企業採用担当者の本音)

  1. 難関大、有名大の出身学生は勉強以外にも目的意識がしっかりしていて、自己形成も優れており、企業に入っても業績を上げる人間が多く、その事は社内データでも顕著に表れている。
  2. 限られた時間や費用、採用担当者の物理的な人数等の制約がある中で、より多くの優秀な学生を確保するには、まずは学歴フィルターにかけエントリーシートで一次二次選考を行いかなりの絞り込みをして、そこからじっくりと何回かの面接で最終内定者の選定を行うのが最適な方法としている。
  3. 今後更に進むグローバル化や情報化時代、熾烈な企業間競争に勝つ戦略構築、等に対応するには難関大や有名大の優秀な学生を採用せざるを得ない。

最近の就職戦線でのもう一つのキーワードは

それは『一芸入社やNO1入社』と言われている方法で、最近特に注目されるようになった選抜方法である。

具体的には、スポーツの全国大会で優勝したとか弁論部の部長で活躍したとか海外生活経験が豊富で英語・中国語がペラペラとか、等ある分野で突出した能力や実績を持つ学生を面接のみで採用するという方法で、今後多くの企業が取り入れると言われている。

彼等が企業に人気の理由は、貪欲な挑戦意欲やあくなき向上心を持った人材で、会社においても十分にその持ち味を発揮して成果や実績を出すことが出来るからのようだ。

有名大や難関大で運動部に所属し、しかもキャプテンを努めたような学生が、各企業から引っ張りだこの理由は、上記の2つの要素を持ち且つ組織をまとめる能力やリーダーシップを備えた最強の素材だからである。

普通の大学に通う諸君へのエール

では特定の大学以外の普通の大学に通う学生は一体どうすれば良いのか、大企業や人気企業への就職は最初から諦めろ・・・を学歴フィルターは暗に示唆しており、小生はこの差別の構図が大きな社会問題と強く思っている。

実は小生も普通の大学出身者で、たまたま運良く大企業に就職する事が出来たが、叶えられなくても決して悲観したり腐ってはいけない。

35年間の会社生活を通じて体験した事、確信した事を基に諸君に以下のエールを送るので、是非前向きに捉えて頑張って欲しい。

1.大企業や人気企業に入るのが全てではない

  1. 今日のような生き馬の目を抜くような熾烈な企業競争時代では、どんな大企業や人気企業でも決して安泰ではなく、5年~10年単位で業績が大きく変化して、勝ち組・負け組の企業地図が塗り替えられる。
    負けると直ぐにリストラの嵐が吹いたり、給料が下がったり、理不尽な人事異動が行われたり、不幸な境遇が我が身に降りかかってくるのである。
  2. 逆に中小企業の中には健全経営企業や将来性豊かな企業、独自の技術を持つ優良企業も多くあり、よく情報のアンテナを張って調べる事が重要である。

2.学生の本分である勉強する事を最優先すべし

一生懸命勉強し優秀な成績を修め、更に特技や資格等のとんがった物(一芸)を持つことや運動部に入部して心・技・体を磨くよう努力すること。

そうすれば神様はちゃんと見ていて、就職に有利になることは勿論、入社後も実績や利益をもたらす人材として活躍が出来、経営幹部への道が開けたり、地位や報酬も自然についてくるのである。

3.入社してからが真価を問われる本番

有名大や難関大出身者は自己の過大評価や過信、理屈や評論ばかりで行動しない、頭は良いが逆境に弱い・・・等の欠点を持つ人間が意外に少なくない、君達の出番はきっとある。

H27年8月改定 有馬 慎太郎(とうかつ経営支援グループ理事)

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